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研究所について

所長挨拶

慶應義塾大学東アジア研究所所長
西野 純也

 東アジア研究所の所長に2023年10月に就任しました、西野純也です。法学部政治学科で現代韓国朝鮮政治および国際政治に関する科目を担当しております。これまでも、研究所のプロジェクトに参加する機会をいただくなど、東アジア研究所には大変お世話になってきました。今回、慶應義塾大学の地域研究、東アジア研究をリードしてきた歴史ある研究所の所長を務めることになり身の引き締まる思いです。皆様のご協力とご支援をいただきながら、研究所のさらなる発展に尽力してまいります。

 2023年は、東アジア研究所創設から20周年であり、その前身である1984年の地域研究センターの設置から40年を迎えようとする節目の年にあたります。これまでの実績を土台としながら、研究所の活動をより積極的に展開していきます。
 地域研究センターの時代から今日に至るまで、研究所の活動を支えてきた大きな柱は2つあります。1つ目の柱は、学術研究プロジェクトの実施とその成果の書籍出版です。慶應義塾大学の教員がリーダーを務める2年間実施の学術研究プロジェクトを毎年2つずつ立ち上げており、常に4つのプロジェクトが動いています。プロジェクトの成果は全て学術書として刊行しており、その数は70冊に達します。このプロジェクトの実施を可能にしてくれているのが、財団法人高橋産業経済研究財団からのご支援です。研究所設立当初から今日に至るまでのご支援に深く感謝します。  2つ目の活動の柱は、隔年で実施している東アジア研究所講座です。毎回テーマを設定し、塾内外からその分野の専門家を招いて講演シリーズを開催しており、学生や社会人など多くの聴衆の参加を得ております。この講座も講演録をもとにした書籍を成果として刊行しており、2023年春に刊行したもので計17冊となりました。  
 これら2つの柱に加え、研究所の活動を支えているのが、2つのセンターの活動です。2007年には現代中国研究センターが、2009年には朝鮮半島研究センター(設立時の名称は現代韓国研究センター)が研究所内に設置され、セミナーやシンポジウムを活発に実施してきました。2つのセンターはそれぞれ、日本における中国研究、朝鮮半島研究の拠点としての役割を果たしています。

 上記のような研究所の活動を今後も継続しながら、さらなる発展を目指すために、まず次の3つを意識して研究所の運営に臨むつもりです。
 第1に、研究所主催のセミナーや研究会の開催を増やして、運営の「活性化」をはかります。ポストコロナ時代を迎えたことを受けて、研究所内の2つのセンターと積極的に連携、協力をしながら、研究所がこれまで以上に主導的かつ積極的に、研究・学術交流及び議論の場を提供するよう努めていきます。
 第2に、研究所の活動と成果のさらなる「見える化」です。研究所及びセンターの活動やその成果が皆様の目に留まるよう、発信の仕方をさらに工夫します。
 そして第3が「ネットワーク化」です。第1、第2の活動を通じて、日本さらには世界の東アジア研究者及び研究機関の連携とネットワーク化を促すことで、当研究所がそのネットワークの要としての役割をしっかりと果たし続けます。  
 改めまして、研究所の活動への引き続きのご関心とご支援、ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。