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INFORMATION

東アジア研究所講演会「宗教、制度の発展と人類の利他行為」開催のご案内(7/2)


(2016/7/2終了)

 当研究所では、このたび以下の主旨による講演会を三田哲学会、
慶應義塾大学人類学研究会、JFE21世紀財団アジア歴史研究助成
「膨張する中国による東アジア新秩序下の中台関係に関する人類
学的研究」との共同主催で開催することになりました。
 つきましては、お忙しいところ恐縮ですが、是非ご出席ください
ますようお願い申し上げます。
参加希望の方は、氏名、所属、連絡先をそえてkieas@info.keio.ac.jpまでご連絡ください。
なお、受付回答はいたしませんのでご了承ください。
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◆講 師: Chiang Yen-Sheng
        (江彦生、香港中文大学社会系 Assistant Professor)
◆テーマ: 「宗教、制度の発展と人類の利他行為」
        (宗教、制度演化與人類的利他行為)
◆司 会: 三尾裕子
        (慶應義塾大学東アジア研究所副所長、
         慶應義塾大学文学部教授・文化人類学)

◆日 時: 2016年7月2日(土) 17:00~19:00
◆場 所: 慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎 473教室
         【慶應義塾Access & Maps】
           www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html
           →キャンパスマップ【6】が南校舎です。

◆使用言語: 中国語、日本語通訳付き
◆参加費: 無料

◆講演要旨
 人間の本質は利己的か、それとも利他的でありうるだろうか。
 この問題は長らく哲学や科学において、論議がなされてきた。
 利己ないし利他の程度は、人によって異なるだけではなく、個人
 が所属する社会の文化や制度の影響を強く受けてきた。本講演で
 は、過去十年来の進化人類学と心理学(「演化人類學與心理學」、
 Evolutionary Anthropology and Psychology)を紹介しながら、
 宗教制度と利己的あるいは利他的行為の相関関係を論じる。まず
 利己的行為、利他的行為の定義およびそれにかかわる一連の問題に
 ついて議論を行い、行動学派が用いる検証方法と研究の枠組みを紹
 介する。その後、過去十年来の学界(進化人類行動学派)が、宗教
 制度と自己の集団を利することを目的とする行為との関係について
 明らかにしてきたことを振り返る。最後に今後の検討課題について
 論じ、異なる領域の研究が相互に共同しあうことで、こうした問題
 を解明することを期待したい。

◆講演者プロフィール
 PhD (University of Washington)。専門は社会行動科学
(social behavioural science)。
 江教授はpro-sociality、すなわち社会や集団の利益を追求する
 ために個人がいかに犠牲にするのかについて、特に、ソーシャル
 ネットワークが人々がpro-socialな行動を形成する際に果たす
 役割についての研究を進めている。最近の業績として、2015 "Good
 Samaritans in networks: An experiment on how networks influence    
 egalitarian sharing and the evolution of inequality".
 PLoS ONE, 10(6): e0128777。また講演として、「太陽の下の雨傘と
 ひまわりソーシャルメディアと香港、台湾の学生運動」 講演会
「台湾、香港の若者の意識とソーシャルメディア」2015年11月4日
 於北海道大学。

◆共同主催:慶應義塾大学東アジア研究所、
      三田哲学会、慶應義塾大学人類学研究会、
      JFE21世紀財団アジア歴史研究助成
     「膨張する中国による東アジア新秩序下の中台関係に関する人類学的研究」

◆問い合わせ先:慶應義塾大学文学部 三尾裕子 YQB03736@nifty.com
        研究室HP   http://qingyingrenleixue.web.fc2.com

◆プレスの方々が、講演者等の発言内容を引用される際には直接本人の
 了解をとってくださいますようお願い申し上げます。研究会では、
 スチール・カメラによる取材はご遠慮いただいております。